1兆の匂いをかぎ分ける「ヒトの嗅覚」謎の仕組みを研究者が解明

花の香りを心地よく感じたり、食べ物の腐った匂いを不快に感じたりするのは、鼻にある「嗅覚受容体」と呼ばれる器官のおかげです。しかし、この受容体がどのように匂い物質を感知し、香りに変換しているのかについては、いまだ謎に包まれています。
これについて、初めて人の嗅覚受容体の正確な立体構造を明らかにする研究が、科学誌「Nature」に掲載されています。
*Category:サイエンス Science *Source:Nature ,Wikipedia
ヒトはなぜ400の嗅覚受容体で1兆もの匂いを識別できるのか?
ヒトの遺伝子には、多くの匂いを感知する400の嗅覚受容体をコードする遺伝子が含まれています。1920年代の研究者は、人間の鼻は約10,000の匂いを識別できると推定していましたが、2014年の研究では、実際には1兆以上の匂いを識別できると示唆されています。
嗅覚受容体は、臭気物質と呼ばれる匂い物質の一部としか相互作用できません。しかし、1つの匂い物質が複数の受容体を活性化することがあります。マングリック氏によれば、これは「ピアノで和音を弾くようなもの」とのこと。
1つの音を鳴らすのではなく、複数の鍵盤を組み合わせて鳴らすことで、独特の匂いを感じることができるのです。
出典:Nature
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