息子が幼いころ、寝る前に絵本を読むのが日課でした。彼は幼いながら趣味がはっきりした子で、自分で選んだ本でないと眠れないと言い張ります。毎日、お風呂から出ると、本棚から「今日の僕の絵本」を持ち出して、布団にもぐりこみ、私を呼ぶのです。それは息子のお楽しみの時間だったのでしょう。ウキウキしながら絵本を選ぶ姿を見ていると、とても嫌とは言えません。こうして、就寝前に絵本を読む習慣は、自分で字が読めるようになるまで毎晩繰り返される「お約束」となりました。
物語と画、ふたつとも大事
私も寝かしつけに絵本を読むのが楽しみでした。けれども、そこはやはり大人です。息子のように夢中にはなれません。それに、早く寝かしつけて、洗濯物をたたんだり、テレビを観たいとこっそり思ったりしています。そのせいでしょうか。絵本を読むとき、どうしても早口になってしまうのでした。絵本は字の部分が少ないので、さっさと読んで次のページに進みたくなります。
すると、今にも眠りに落ちそうだった息子はぱっちりと目を開けて、「まだだよ、僕、読んでるんだから」と、不満を露わにするのでした。「読んでいるのは私だ、キミじゃない」と言い返しても、ブーイングは止まりません。それどころか、泣き出しそうになっています。これでは、寝かしつけにならないではありませんか。私は渋々、最初から読み直すことになりました。
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大人も子どもも、ほっとしながら眠りにける絵本に魅せられる『りすとかえるのあめのたび』

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