危険な「コスト削減」。会社の存亡を揺るがす落とし穴とは

本記事は、岩田松雄氏の著書『ブランド 「自分の価値」を見つける48の心得』(アスコム)の中から一部を抜粋・編集しています。 (画像=Reese/peopleimages.com/stock.adobe.com)会社は「コスト削減」では再生しないミッションとブランドは表裏の関係です。会社や個人のミッションが外に滲み出たものがブランドであるべきです。だから、ミッションを掲げてから、それがブランド化するまでには時間がかかります。私が日本国内でザ・ボディショップを運営するイオンフォレストのCEOになったころ、業績が低迷していることもあり、社内にはミッションについて語るような余裕もなかったように感じました。ザ・ボディショップは、創業者のアニータ・ロディックの、社会に対する怒りにも似た姿勢を投影したユニークなブランドです。化粧品の動物実験に反対し、人権や環境、「自分らしさ」を大切にするという、既存の化粧品メーカーにはない価値観を全面に打ち出していました。それがザ・ボディショップであり、そんなアニータの姿勢に憧れてイオンフォレストに入社してきた多くの社員たち。1990年に表参道の1号店から日本での展開が始まり、7年ほどは大ブームに乗って業績を伸ばしていました。しかし、私がやって来た2005年の時点では、大きく業績は低迷していました。売り上げよりもコストカットでお店はアルバイトばかり。研修も巡回
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