事務リスク管理態勢の強化に向けた事務ミス要因の理解と未然防止・再発防止への活用

この記事は2023年8月31日に「The Finance」で公開された「事務リスク管理態勢の強化に向けた事務ミス要因の理解と未然防止・再発防止への活用」を一部編集し、転載したものです。金融機関における事務領域ではDX化が加速的に進んでいるものの、いまだマニュアル作業による事務領域は残されている部分がある。こうした中、ヒューマンエラーに起因する事務ミス・事務事故(本稿では「事務ミス」とする)は依然として発生しており、深度ある要因分析がなされないまま、未然防止・早期発見・再発防止の3対策が講じられているケースが少なくないのが実情である。宇宙産業、航空産業、医療産業、原子力産業といった4産業界におけるヒューマンエラーによる事務ミスは、人命にかかわる大惨事に繋がる虞れのある極限リスク(Extreme Risk)・サプライズリスク(Surprise Risk)を孕んでいるため、その要因分析や未然防止・再発防止の基本的考え方と手法は、学術的、先進的であり、また示唆に富んでいるため、金融機関において参考とすることは有用である※。本稿では、先進的な上記4産業界における事務ミスの要因分析や未然防止・再発防止策の事例を紹介する。尚、この事務ミスにおける「チェック」態勢については、筆者の寄稿「事務リスク管理における事務ミス「チェック」態勢の落とし穴と効果的な予防策」を参照されたい。※脚注金融庁ディスカッ
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